🕊️ 前回のお話:第20話「オペラに起こされた朝に」
薄い冬の気配が、部屋の隅にそっと溜まりはじめた朝だった。
カーテンを冬用の厚手に替えようかと考えながら、こたつ布団の端を軽く持ち上げると、
その隙間からオペラが顔だけひょこっと出してきた。
「寒いね」と声をかけると、まるで同意するみたいに小さく鼻を鳴らした。
デジタルサイボーグと言われた日
ある日の午後、職場で部下に振込のやり方を教えていた。
○○銀行から□□銀行へ移すだけの、単純な操作。
アプリを開いて、必要項目を入力して、タップ。――それで終わり。
あまりにすんなりできたものだから、部下が笑いながら言った。
「おぷっぷさんって、いつからデジタルサイボーグになったんですか?」
そこから話はどんどん昔にさかのぼった。
パソコン通信。
電話回線でインターネットにつないでいた頃の、不便で楽しかった時代。
ISDN、ADSL、そして光回線へ――技術が変わるたび、僕らの生活も少しずつ変わっていった。
横で聞いていた部下は、言葉の半分も理解していない様子だったけど、
「へぇ〜!」「そんな時代あったんですね!」と相槌だけは一人前に返してくれた。
ありがたいというか、申し訳ないというか……(笑)。
まさかのSwitch2当選
そして、その日の夜。
スマホに通知が届いた。
――【当選のお知らせ】Nintendo Switch 2 抽選販売
「いや、ここで運を使うんかーーい」と思わず声が漏れた。
だって、完全に“ダメ元”応募だったから。
本体+マリオカートのセット。重装備で申し込んだのに、当たってしまった。
昔はISDNでピーヒョロつないでた男が、今や最新ハードに当選して届くとは……。
人生って、やっぱり面白い。
冬支度の途中で思うこと
Switch2の当選メールを眺めながら、カーテンの交換作業に戻った。
冬はすぐそこまで来ている。
フォレスターのタイヤ交換も終わったし、加湿器もセットした。
家の冬支度は、ひとつずつ進んでいく。
そして気づけば、僕の中の季節も同じように変わっていた。
昔の話をして笑ったり、最新のゲーム機に驚いたり、少しずつ積み重なる変化。
どれも、小さな“季節の節”みたいだった。
オペラの冬じたく
ふと足元を見ると、オペラが毛布の上に丸くなっていた。
ここ数日で冬毛っぽさが増し、抱き上げるとふわっと温度が乗ってくる。
最近のオペラは、特に朝の甘えん坊モードがすごい。
こたつに潜っては出てきて、僕の足に前脚で「トントン」。
抱っこをせがむように、顔を覗き込んでくる。
そんな仕草が、家の冬をさらにあたたかくしていた。
あとがき
冬は冷えるのに、なんだか心はあたたかくなる。
季節の支度をしながら、そんなことを思った。技術が変わっても、運の使いどころがズレていても(笑)、
オペラの小さなぬくもりが今日を整えてくれる。
その事実だけで、冬が少しやさしくなる。

