あきらめた日のこと、続けてきた日のこと

星空の下に佇むネイビーブルーのフォレスターの写真 ライフログ

🕊️ 前回のお話:第21話「冬支度の途中で」


車を家へ走らせている帰り道、ふいにひとつの問いが浮かんだ。
——これまでの人生で、あきらめたことって何だったんだろう。

信号待ちの赤が、いつもより長く感じる夜だった。
思い返してみれば、あきらめたもののほうが圧倒的に多い。

ピアノ。
ギター。
スポーツ選手。
絵を描くこと。
プログラマー。
音響の世界。
俳優(仮面ライダーになりたかった)。
書道。
学習塾も、自宅学習教材も続かなかった。

どれも本気でやりたかったはずなのに、ある日ふっと手を離れていった夢ばかり。

「やめたのか?」
「続けられなかったのか?」
「やれなかったのか?」

どれも違うようで、どれも少しだけ当たっているような気もした。

でも最終的にたどり着いたのは、ごくシンプルな答えだった。
結局、“そのときの自分が、やらないと決めた”
それだけのことなのだ。


続いているもの

信号が青に変わり、車がゆっくり動き出す。
ふと、続いてきたものにも思いが向いた。

美容師として過ごした日々。
フォークリフト。
美容室の事務。
お金の運用。
そして、何度もやめては戻ってきたブログ。

数は多くない。
けれど、それらはいつの間にか、自分の暮らしを支える“柱”みたいになっていた。


あきらめたものと続けたものの違い

上を見ればキリがないし、下を見てもキリがない。
人生はいつも、あきらめたものと続いたものの両方でできている。

どちらかだけじゃなく、どちらも“選択の積み重ね”。
そう思うと、不思議と肩の力が抜けた。


今日へつながる選択

家の光が遠くに見えてきたころ、思わず笑ってしまった。

あきらめたんじゃない。やらないって決めただけなんだよなあ。

その瞬間、今日という日が少し軽くなる。

そしてまた明日、オペラに起こされて一日が始まる。
続いているものの先に、こうして今がある。


あとがき

あきらめたことは、できなかった証ではなく、 その時の自分が選んだ道の形なのだと思う。

続いていることは、気づけばそばにあった灯のようなもの。 特別でも派手でもないけれど、 今日の暮らしをそっと照らしてくれている。

何を手放して、何を続けて、 その先に今の暮らしがある。

そう思うと、少しだけ胸が軽くなった。

また明日、オペラに頭をトントンされて起こされる。 その瞬間が続いていく限り、 きっとそれだけで十分なのだと思う。


📘 次のお話:第23話「年の瀬に気づく、手放せない自分」

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