小さな旅のあとで

ペットバギーの毛布にくるまって外の空気を感じるチョコタンのチワワ、オペラ ライフログ

🕊️ 前回のお話:第23話「年の瀬に気づく、手放せない自分」


晩秋の空気が、少しだけ冷たく感じた午後。
オペラをペットバギーに乗せて、家の周りをゆっくり歩いた。
外気に慣れさせるための、小さな“小旅行”。

バギーの中でオペラは、最初こそ不思議そうに身じろぎしていたが、
風の匂いや遠くの車の音、落ち葉の揺れる気配を感じ始めると、
まるで世界を観察するように、静かに耳を澄ませていた。


1. 初めての景色に包まれて

道端の草の揺れ、遠くで走る車の低い音、
誰かが家の前で掃いている落ち葉の音。
いつも室内で聞く音とは少し違う“外の世界の鼓動”。

オペラは時々こちらを見上げながら、
「これも全部、ぼくが知っていい世界なんだね?」とでも言いたげで、
その顔がたまらなく愛おしかった。


2. 小さな勇気、小さな疲れ

外の空気は刺激が多いのだろう。
少し進むたびにオペラは体勢を変え、
途中からはリラックスして横になり始めた。

帰宅してバギーから降ろすと、
足早にケージのベッドへ向かい、
そのままコトンと横たわった。

小さな頭がゆっくり上下して、
お腹が柔らかく波を描いて眠りのリズムに変わる。
ほんの30分の散歩でも、彼にとっては“旅”だったのだと思う。

毛布にくるまれて気持ちよさそうに眠るチョコタンのチワワ・オペラ

お散歩のあと、好きな毛布にくるまれてぐっすり眠るオペラの姿。


3. 旅のあとに残るもの

バギーを片づけながら、ふと気づく。
外を歩いた時間以上に、
“初めてを一緒に経験する”ことが嬉しかったのだと。

小さな世界が少しずつ広がっていく瞬間。
その全てに立ち会えることが、こんなにも尊いなんて。

オペラの寝息が静かに部屋に溶けていく。
その温度の向こうに、今日の“旅の余韻”が確かに残っていた。


あとがき

小さな命が外の世界に触れるとき、
そこには確かにひとつの“物語”が生まれる。

ほんの短い散歩でも、
帰ってきたあとに眠る姿は、
旅のあとに見せる安心そのものだった。

その姿を見ているだけで、
今日という日が、またひとつ静かに光った気がした。


📘 次のお話:第25話「晩秋の庭で咲いた赤——クリムソングローリーが教えてくれたこと」

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