🕊️ 前回のお話:第70話「整えた作業環境と、少しの言い訳」
小額だけど、手元に現金がある。
それだけの話なのに、頭の中では色んな会話が始まってしまう。
あれが欲しい、これが欲しい。
備えとして何かを買う?
それとも、何かを買ったつもりで小旅行に行く?
──そんな会話は、全部、僕の脳内で起きていたものだ。
現実はというと、仕事は詰まっているし、文鳥とオペラもいる。
生活基盤も、まだ「完全に整った」とは言い切れない。
結局、旅行はキャンセルした。
それが正解かどうかは分からないけど、今の自分たちには無理をしない選択だったと思っている。
使わなければ、きっと消えてしまうお金
この現金をどうするか。
僕の性格上、現金で持っていると、数ヶ月後には跡形もなく消えてしまう気がした。
悩んだ末に出した答えは、こうだ。
生活必需品になりそうな家電をひとつ買う
残りはNISAの成長投資枠に回す
どの銘柄にするか。
優柔不断な性格だから、いつもなら迷いに迷う。
でも今回は、不思議と決断が早かった。
一株に必要だった、45日
去年の9月、初めて個別株を一株だけ買った。
たった一株なのに、ポチるまで45日くらいかかった。
今思えば、あれは絶妙なタイミングだった。
購入後、株価は右肩上がりに上昇し、現在は調整期間に入っているようにも見える。
今回は、同じ銘柄を一株だけ追加で購入した。
9月より株価は上がっているし、円安傾向でもある。
割高かもしれない。
理屈だけ見れば「待て」と言っている。
それでも、なぜか──
「今、買いなんじゃないか」と思ってしまった。
根拠はない。
ただの直感だ。
200円をケチって、億を逃した話
この「直感を信じる」という言葉には、苦い記憶がある。
過去、ロト6で数字の組み合わせを見た瞬間、
脳内で「ピーン」と音がして、視線が数秒間止まったことがあった。
内なる自分Aは言う。
「これ、買いじゃない?200円だよ?」
内なる自分Bは言う。
「どうせ当たらない。200円もったいないでしょ?」
結局、買わなかった。
200円をケチった。
抽選結果を見た夜、血の気が引いた。
その組み合わせは、1等だった。
億を逃した悔しさ以上に、
自分の直感を信じきれなかったことが、ずっと心に残った。
理屈と直感のズレ
今回の株購入も、状況はよく似ていた。
為替は不利かもしれない
高値圏かもしれない
理屈は「待て」と言っている
でも一方で、
「なぜか、今だと思ってしまう自分」がいた。
僕は、このズレを無視した時に後悔しやすいタイプだ。
だから今回は、直感を信じて一株だけ買った。
大口投資家から見たら、何を言ってるんだって話だろう。
でも僕にとって、一株数万円は大金だ。
日常生活に大きな影響はないと思う自分と、
「何日分の生活費だろう」と思う自分。
その葛藤の中での決断だった。
株を買ったのではなく、体験を買った
今回の話の肝は、「一株買った」という事実じゃない。
銘柄を選ぶ
学び途中のチャートを見る
理性と感情と向き合う
買う・買わないを決める
ポチった瞬間の感情
一株でも株主だという、ちょっとした自負
この一連の体験が、楽しかった。
どうする?どう思う?と自問自答しながら、
心はワクワクしていた。
このワクワク感こそが、
今回、手に入れた一番の価値だったのかもしれない。
あとがき
正解かどうかは、たぶん後にならないと分からない。 でも今日は、ワクワクした。 それだけで、十分だった気がしている。

