🕊️ 前回のお話:第58話「無理がきくと思っていた自分が、回復に時間を取られるようになった話」
最近、少しだけ自分の変化に気づく瞬間があった。
大きな出来事があったわけじゃない。
ただ、日常の中で「前と同じじゃないな」と思う場面が増えただけだ。
体調のこと、仕事のこと、家のこと。
どれも一気に変わったわけではないけれど、
確実に“無理の効き方”は変わってきている。
若い気持ちと、若くない身体
職場には若い人が多い。
その空気に触れていると、自分まで若くなったような錯覚を覚える。
実際、気持ちはまだ動く。
瞬間的なら、無理もできる。
ただ、そのあとが違う。
回復にかかる時間が、昔の倍以上になっていることを
最近ははっきりと実感するようになった。
無理ができないわけじゃない。
無理をした“代償”が、後から確実にやってくる。
無理をする理由と、その裏側
なぜ無理をしてしまうのか。
突き詰めると理由はシンプルだ。
自分の代わりがいない。
少なくとも、今はそういう状況にある。
仕事としては、誰でもできること。
慣れてしまえば特別な技術が必要なわけでもない。
それでも任せられないのは、
会社の機密に触れる立場だからだ。
信頼されている…そう思いたい部分もある。
結果として、抱え込む。
抱え込むから無理をする。
無理をするから体調を崩す。
頼ることと、任せること
最近は、若い人に任せる場面も少しずつ増やしている。
丸投げではなく、段階的に。
任せることは楽になることじゃない。
むしろ最初は手間が増える。
それでも、
この先も同じやり方を続けるわけにはいかないと
身体が先に教えてくれた。
家を持って、変わったこと
新居に住み始めてから、
妻に「偉そうになった」と言われたことがある。
偉そうにしているつもりはない。
ただ、以前より自己主張が増えたのは確かだ。
家を持った安心感なのか、
それとも不安を隠すための強がりなのか。
自分でも、まだ整理がついていない。
ただひとつ分かるのは、
感謝よりも余裕のなさが前に出ていた時期だった、ということだ。
太く長く生きるという感覚
若い頃は、
「太く短く生きられればいい」と思っていた。
でも今は違う。
太く、長く。
無理を重ねるより、続けられる形を選びたい。
迷惑をかけない人生、ではなく、
周囲の役に立てる時間を少しでも長く持てる人生。
そんなふうに、
考え方が少しずつ変わってきている。
あとがき
無理をしなくなったわけじゃない。
ただ、無理の仕方を見直す時期に来ただけ。それに気づけたなら、今はそれで十分だと思っている。
結局、「今ある姿」は、
過去の自分が思い描いてきた結果なんだと思う。ようやく、その意味が実感として分かるようになった。

