🕊️ 前回のお話:第59話「無理の効き方が変わってきたことに気づいた日」
12月29日(月)で仕事納め。
今日から1月3日(土)まで、5連休に入った。
美容業界でこの日程を聞くと、
「時代が変わったなぁ…」と、つい思ってしまう。
少し大げさかもしれないけれど、
僕がこの業界に入った頃の空気感を知っていると、なおさらだ。
美容業界は、もともと“時間に縛られる仕事”だった
日本の美容室の歴史を振り返ると、
鎌倉・江戸時代の「髪結い」に始まり、
明治の断髪令、大正の美容学校創設、
そして昭和の理容師法・美容師法へと続いてきた。
つまりこの仕事は、
技術と同時に「時間を差し出す職業」として育ってきた側面がある。
徒弟制度の名残があった時代に、この業界へ入った
僕が美容業界に入った頃は、
いわゆる「徒弟制度」の名残が、まだ少し残っていた時代だった。
ただし、当時を否定したいわけじゃない。
あれはあれで、その時代なりの必然だったと思っている。
実際、僕が勤めていた会社は珍しく法人化されていて、
時間外労働の賃金もきちんと支払われていた。
(これは触れなくてもいい話かもしれないけれど)
大晦日まで営業するのが、当たり前だった頃
当時は、大晦日まで営業していた。
紅白歌合戦を横目に見ながら、23時までサロンワーク。
さらに上の世代の先輩たちは、
大晦日はアップと着付けで大忙しだったと聞く。
除夜の鐘を聞きながらお客様の支度をし、
夜明け、初日の出を見てから帰宅する。
そんな話が、決して“武勇伝”ではなかった時代だ。
そして今、5連休が取れる時代になった
今はどうだろう。
12月30日が火曜日なら休業、
そこから1月3日まで休めるサロンも珍しくない。
もちろん、これは美容室ごとに違う。
一律に語れる話ではないけれど、
業界全体の空気は確実に変わってきていると感じる。
そういえば、有給休暇も
僕がアシスタントの頃から取得できる会社だったな…
なんてことも、ふと思い出した。
休みでも、仕事のことを考えてしまう性分
5連休ある。
それなのに、休みの日でも仕事のことを考えてしまう。
我ながら、あきれるくらいだ。
これは日本人特有の気質なのか。
それとも、僕個人の性格なのか。
答えは出ないけれど、たぶん両方なんだろう。
変わったのは、業界か。それとも自分か
業界は確実に変わった。
働き方も、時間の感覚も、福利厚生も。
でも一方で、
自分の中の「仕事との距離感」は、まだ追いついていない。
そんな気もしている。
5連休を前にして、
そんなことを考えてしまった、仕事納めの日だった。
あとがき
時代は変わる。 それでも、考え方まで一緒に切り替えるのは、 案外むずかしいものだ。

