180日目の問い

冬の柔らかな光が差し込む静かな壁面に、第40話のタイトルが浮かぶ抽象的なアイキャッチ画像。 ライフログ

🕊️ 前回のお話:第39話「冬を迎える机のそばで」


昨日までと同じように過ぎていくはずの一日が、
ふとした瞬間に、違う意味を帯びることがある。

オペラが生まれて百八十日。
ただの数字のはずなのに、
「飼い主とは何だろう」と胸の奥に静かな問いが落ちた。

生活の中心に流れ込んでくる小さな気配や、
思いがけず揺れる自分の心。
そのどれもが、この半年の濃さを物語っているようで――
今日の私は、少しだけ立ち止まっている。


朝の光と、決まった手順

朝。
まだ空気の冷たさが残る時間、
最初にするのはペットシーツの交換。

そのあと、おちんちんとおしりのケア。
ほんの数分のことなのに、
これをしないと一日が始まらない。

ごはんを用意すると、
オペラは尻尾を揺らしながら小さく跳ねる。
その動きが、冬の朝の静けさを溶かしていく。

食後、またシーツを替え、ケアをする。
同じ動作の繰り返しなのに、
オペラの表情が少しずつ変わるから、単調にはならない。
毎朝、違う朝だと思える。


昼のあいだに整えるもの

昼は、オペラの睡眠時間。
深い眠りの間に、洋服やブランケットの洗濯をする。
小さな体の匂いが残るタオルを洗濯機に入れながら、
「今日もよく遊んだな」と思う。

おもちゃを棚に戻すとき、
今日の遊びの跡が手に伝わる。
噛んだ跡や、投げた位置や、引っ張り合いの感触。
その全部が、昼の静けさに小さな余韻を残していく。


夜のリズム、そしてハイテンションの時間

夜になると、またごはんとケア。
刷毛のような尻尾の動きが、
「今日もありがとう」と言っているように見えるのは、
きっと僕の甘さだろう。

肉球の保湿やブラッシングをしていると、
オペラは少しうとうとし始める。

なのに——
なぜか夜の23時を過ぎると、
突然スイッチが入る。

小さな体が部屋を駆けまわり、
時々こちらを振り返って、
「ねぇ、まだ寝ないよね?」
と言っているような顔で。

この、短いハイテンションの時間が、
なぜだか愛おしい。
今日という一日を締めくくる“花火”のようだ。


して、留守番の日のこと

朝9時から夕方6時までの留守番。
この時間を、オペラはよく頑張ってくれている。

帰宅すると、
まずは顔を見て、匂いを嗅ぎ、
それから一気に“おしっこラッシュ”が始まる。

ペットシーツを替えた瞬間に、またそこへ。
次のを敷くと、またすぐそこへ。

直径10センチほどの、控えめなおしっこ。
きっと、自分の匂いを残したくないのだろう。
きれい好きな性格が裏目に出て、
我慢してしまうことがある。

「偉いね」と言いながら、
その“我慢”の影にある小さな負担に、
胸が少しだけ締めつけられる。


飼い主なのか? それとも……

こんな毎日を送っていると、
自分が飼い主というより、
どこか“下僕”のように思えることがある。

でも、それを思うときの僕は、
たいてい笑っている。

犬飼いあるある、と言われればそれまでだけれど、
たぶん、この感覚は悪いものじゃない。
むしろ、誰かのために動いている実感がある。


妻のひと言と、胸の奥のざわめき

最近、妻にも言われた。

「あなたはオペラファーストよね。
私のことなんて……」

その言葉を聞いた瞬間、
胸が一度、静かに沈んだ。

もちろん、妻を大切に思っている。
比べるものではない。

だけど今の生活は、
確かにオペラを中心に回っている。

6ヶ月という月齢、
それを思えば当然かもしれない。
それでも、
同じだけの愛情を注ぐというのは、
言葉では簡単でも、実際はとても難しい。


180日目に見えたもの

ふと、思うことがある。

これは——
愛情の訓練なのだろうか?

自分のためではなく、
誰かのために動く練習なのか。

今に気づけ、というメッセージなのか。
気配りや心配りがまだ足りないということなのか。
感謝を忘れるなという合図なのか。

それとも、
人生とは結局、修行なのだろうか。
“死ぬために生きる”という言葉の意味を、
ようやく考え始めたのかもしれない。

オペラと過ごす日々は、
たくさんの問いを運んでくる。
その問いは時に重く、
時に優しく、
心にしずかに落ちていく。


あとがき

百八十日という節目に、 答えの出ない問いを抱えた。

飼い主なのか、家族なのか、
それとも名前のない別の存在なのか。

わからないままでもいい。
問いを抱えたまま進むことも、人生の一部なのだと思う。

オペラの寝息を聞きながら、
今日の問いにも静かに蓋をして、
また明日を迎えよう。


📘 次のお話:第41話「膝の上の答え|オペラが教えてくれた甘えと信頼のかたち」


プロフィール
こんにちは、自由きままなライフログを書いている おぷっぷ です。

家族として迎えたチワワの「オペラ」と過ごす日々を中心に、 日常のささやかな出来事や感じたことを “そのままの言葉で” ゆるやかに綴っています。

オペラはまだ赤ちゃんで甘えん坊。 ふっとした仕草や表情に、あたたかさを感じる毎日です。 そんな小さな相棒と過ごす時間は、季節の移ろいをしみじみと実感させてくれます。

このブログでは、
・オペラとの何気ない日常
・心がふっと動いた瞬間
・飼い主として学んだこと、悩んだこと
・生活の中で見つけた小さな喜び
などを文章と写真で記録しています。

“note to self(自分への小さなメモ)” のように、 未来の自分がふと振り返ったとき、 温かい気持ちになれるページを残したい。

そんな気持ちで、ゆるく書いています。 どうぞ気軽に読んでいってくださいね。
ライフログ「日々とぬくもり」
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