膝の上の答え

冬の柔らかな光が差し込む背景に、第41話「膝の上の答え」のタイトルとサブタイトルが配置されたアイキャッチ画像。 ライフログ

🕊️ 前回のお話:第40話「180日目の問い」


40話で「飼い主とは?」という問いが胸に残ったまま、
夜を越えた翌日。
その余韻がまだどこかに漂っているのを感じていた。

けれど、その朝のオペラは、
そんな揺れを見透かすように、
当然のように僕の膝に乗ってきた。
まるで、そこで落ち着くのが最も自然なことだと言わんばかりに。

問いに向けた心の緊張は、
その重さと温度だけで、すっとほどけていった。


「事あるごとに抱っこ」が始まった日々

最近のオペラは、
何かあるたびに抱っこを求めてくる。

月齢6ヶ月という時期を考えれば自然なことなのかもしれない。
けれど、その抱きつき方があまりにも素直で、
あまりにもまっすぐで、
それを見るたびに胸の奥がゆるむ。

抱き上げると、
オペラの体温がじんわり腕に広がってくる。
体は小さいのに、
その温もりは僕の心の大部分を占めてしまうほど大きい。

僕がオペラを抱いているのか。
それとも、オペラが僕を支えているのか。
ときどき、わからなくなる。


膝の上は、もう“自分の場所”

ソファにも、オペラの場所ができた。
ほんの少し凹んだ部分が、彼の定位置になっている。
そこに収まる姿があまりにも自然で、
ふとした瞬間に「こうして家族のかたちってできていくんだな」と感じる。

そして、
僕が座っていると、
まるで流れるように膝に乗ってくるようになった。

“乗る”というより、
“帰ってくる”に近い。

ここが安心できる場所だということを、
オペラはもう知っている。

コーヒーを飲む時間が削られようが、
テレビが見づらくなろうが、
そんなことはどうでもいいと思える日常が、
気づけば当たり前になっていた。


夜中にふと目を覚ますと、オペラは必ず僕を見てい

夜は静かだ。
部屋のどこかで、時計の針だけが音を刻んでいる。

ふと目が覚めると、
オペラがじっとこちらを見ていることがある。
暗がりの中で、丸くした目だけが小さく輝いている。

不思議と怖くはない。
むしろ、
“見張ってくれているのかもしれない”
そんな気さえする。

僕や妻を確認して、
「大丈夫」と思ったらまた眠る。

その繰り返しが、
オペラなりの“守り方”なのだろう。

無駄吠えはしないけれど、
何かがおかしいときだけ必ず吠える。
それはもう立派な番犬のしるしだ。


こんなに穏やかな子が、うちに来てくれた不思議

妻が言った。

「うち、本当に犬飼ってるの?って思うときあるよね。」

それくらい静かで、
それくらい穏やかで、
それくらい人を信じきっている。

友人知人たちも皆、驚く。

「無駄吠えしないなんて珍しいね」
「尻尾ずっと振ってる」
「お腹すぐ見せるの?無防備すぎない?」

褒め言葉というより、
もはや“奇跡を見る目”だった。

ブリーダーさんのおかげなのか、
オペラ自身の気質なのか。
きっとその両方なのだろう。

ただひとつ言えるのは、
僕たちの元に来た時には、
すでに“優しい子”だったということ。


それでも、僕たちの歩みが絆をつくってきた

お迎えしてすぐに、
8時間のお留守番をさせてしまった日があった。

あの日は本当に大変だったし、
そして申し訳なかった。

でも、
その日を越えて、
また翌日も、その次の日も、
一緒に少しずつ歩いてきた。

だから今、
膝に乗ることも、
抱っこを求めてくることも、
夜中に見守ることも、

全部が“当たり前”のような顔をしているのだと思う。


まだ答えは出ないけれど、もう答えは始まっている

「待て」も「伏せ」もこれから覚えていく。
名前を呼べば、僕らの足元に戻ってきてくれるような関係も、
この先に築いていく。

まだ途中だ。
答えはいつだって未完成だ。

けれど、
膝の上で眠り、
ときどき僕を見張り、
家の中の“自分の位置”を見つけていくオペラを見ていると、

飼い主という言葉の答えは、
もう日常の中にそっと形になりつつあるのかもしれない。


あとがき

問いに揺れた日の翌日、 その答えは言葉ではなく、 膝の上の温もりとしてやってきた。

これから先も、
オペラと共に小さな答えを積み重ねていくのだろう。

急がなくていい。
間違ったっていい。

僕たちの暮らしは、
こうして少しずつ、深まっていく。


📘 次のお話:第42話「未来を急がない練習」


プロフィール
こんにちは、自由きままなライフログを書いている おぷっぷ です。

家族として迎えたチワワの「オペラ」と過ごす日々を中心に、 日常のささやかな出来事や感じたことを “そのままの言葉で” ゆるやかに綴っています。

オペラはまだ赤ちゃんで甘えん坊。 ふっとした仕草や表情に、あたたかさを感じる毎日です。 そんな小さな相棒と過ごす時間は、季節の移ろいをしみじみと実感させてくれます。

このブログでは、
・オペラとの何気ない日常
・心がふっと動いた瞬間
・飼い主として学んだこと、悩んだこと
・生活の中で見つけた小さな喜び
などを文章と写真で記録しています。

“note to self(自分への小さなメモ)” のように、 未来の自分がふと振り返ったとき、 温かい気持ちになれるページを残したい。

そんな気持ちで、ゆるく書いています。 どうぞ気軽に読んでいってくださいね。
ライフログ「日々とぬくもり」
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