🕊️ 前回のお話:第71話「直感を信じて、一株だけ買った日の話」
令和の時代に「アフターファイブ」という言葉を使うと、少し照れくさい気もする。
調べてみたら、やっぱり昭和時代の言葉だった。昭和生まれの自分にとっては現役なのだが、令和から見れば数世代前。そう言われても仕方がない。
でも、その言葉がしっくりくる夜が、久しぶりにあった。
何でもない夜が、特別に感じた理由
仕事終わりの妻を迎えに行き、ショッピングモールへ。
食事はフードコートで、それぞれ食べたいものを食べただけ。買い物もペットショップと100円ショップとおもちゃ売り場を少し回っただけだ。
時間にすれば、せいぜい3時間半ほど。
誰かに話したら「普通じゃない?」と言われそうな夜だ。
それなのに、帰りの車の中で、夫婦そろって同じ言葉が口をついた。
「時間の流れが、ゆっくりだったね」
思えば、2024年の夏以降から2025年の終わりまで、人生のイベントが立て続けだった。
すべて自分たちで決めたことなのに、どこか余裕がなく、夫婦の時間らしい時間を感じることができずにいた。
2026年に入り、ようやく少しだけ、平穏な日常の輪郭が見えてきた気がする。
ごはん一つで、荒ぶるオペラ
21時半を過ぎて帰宅。
オペラのごはんの時間だ。
この日は僕の片頭痛がひどく、準備は妻が担当してくれた。
ステンレスの容器にドッグフード、もう一つにお水。それを専用の台に乗せる。
「オペラ〜、ごはんだよ〜♪」
お座りとお手の儀式を終えたあと、オペラは勢いよくムシャムシャ……というより、ほぼ飲み込む勢いで完食した。
普段は早食い対策としてスローフードフィーダーを使っている。
この日は、ちょっとした横着だった。
その後、やけに僕に絡んでくるオペラ。
フーディーのポケットに頭を突っ込み、次はポケットの縁を咬み咬み。止まらない。
時間はまだ22時前。
いつもより早い「荒ぶりタイム」だ。
あまりに落ち着かないのでケージに戻し、僕は頭痛のため先に休むことにした。
翌朝、腑に落ちた仮説
翌朝、妻から聞いた話。
ショッピングモールで買ってきたシャンプーと保湿用の化粧水を使い、オペラを洗ったところ、大暴れ。
洗面所は水しぶきでびしょ濡れ。掃除が大変だったらしい。
「おぷっぷは、かわいがるだけで面倒なことは全部私よね(怒)」
……いや、それは違う。と言いたいところだが、ここでは黙っておく。
朝ごはんを準備しながら、ふと思った。
昨夜、オペラが荒れていたのは、反抗だったのかもしれない。
いつものごはんは、
・スローフードフィーダー
・ドッグフード+野菜を刻んでお湯でふやかす
・ふやかした汁を別容器で用意
昨夜のごはんは、
・フィーダーなし
・ドッグフードと水だけ
夫婦はそろっている。
でも、オペラから見たら「いつもと違う」。
そりゃあ、「荒ぶるオペラ」が爆誕しても不思議じゃない。
本当の理由はわからない。
でも、原因や背景があったかもしれない。そう思うことで、自分は納得している。
あとがき
何でもない夜が、ゆっくり流れたこと。 ごはん一つで、いつも通りが崩れたこと。
日常は、当たり前の積み重ねでできている。
その当たり前が少し崩れただけで、こんなにも表情が変わるのだから不思議だ。今日のアフターファイブみたいな時間を、
これから少しずつ増やしていけたらいいと思う。

