🕊️ 前回のお話:第193話「最近、自分のブログを整理したくなってきた」
家で育てている早咲き四季咲きのクレマチスが咲き終わった。


ちょうど良いタイミングだったので、花殻を摘み、5号鉢へ鉢増しをした。
一年後には7号か8号の鉢へ。もしくは地植えにしようかと考えている。
植物を育てていると、こういう「少し先」を考える時間が結構好きだったりする。
ついでに、新苗で購入したバラ「イマジネ・パフュメ(ゴジャール)」も鉢増しをした。
本来なら、届いたばかりの新苗はポット鉢のまま花を咲かせ、その後に植え替える方が安心だ。
しかも立派な花芽まで付いていた。
正直かなり迷った。
でも今回は、根を崩さないよう慎重に“植え替えベースの鉢増し”をすることにした。
もちろん、環境変化で花芽がダメになる可能性もある。
「まぁ、その時はその時だな」
そんな覚悟も少ししていた。
数日後。

見事な花を咲かせてくれた。
あの時は本当にホッとした。
ちなみに「イマジネ・パフュメ」には、以前「悠久の約束」という名前が付けられていた。
フランスのゴジャール社が作出した、日本向けの特別なバラらしい。
京阪電車開業100周年を記念して贈られた品種で、日本限定販売。
赤紫色の大輪花に、濃厚なダマスク系の香り。
しかも名前が「悠久の約束」。
こういう“限定”とか“特別”という言葉に、昔からめっぽう弱い(笑)
でも実際、このバラは本当に素晴らしい。
花色も美しいし、香りも濃厚。
開花時期が近づくと、毎年ちょっとソワソワしてしまう。
そんなことをしながら鉢増しをしていた時、ふと思い出したことがある。
美容師アシスタント時代、創業社長からよく言われていた言葉だ。
「植物を育てる事ができない人が、人を育てられるわけがない」
当時は若かったこともあり、
「また始まったなぁ…」
くらいに思っていた部分もあった(笑)
でも長く仕事を続けていると、この言葉の意味が少しずつ分かってくる。
昔の美容室では、生花や鉢物をとても大事にしていた。

単なる飾りではない。
店内に花があることで、お客様に季節感や空気感を感じてもらう。
「この店は細かいところまで気を配っている」
そんな無言のメッセージでもあったと思う。
そしてそれは、自分自身の美的感覚を磨く訓練でもあった。
花の色。
葉の状態。
水分量。
光の当たり方。
小さな変化に気づく感覚。
それは美容師として必要な感性にも繋がっていたんだと思う。
今の自分は、現場ではなく事務方の仕事をしている。
売上データや個人成績など、数字を見ることが多い。
数字から分かることもたくさんある。
「この人、今すごく伸びてるな」
「少し疲れているのかな」
「最近モチベーションが落ちてそうだな」
数字は意外と正直だ。
でも、人は数字だけでは見えない。
だからこそ、普段から気にかけることが大事なんだと思う。
例えば、
- 今日は元気がないな
- 電話の声が少し暗いな
- 最近ちょっと無理してそうだな
そんな小さな変化。
植物も同じだ。
- 土は合っているかな
- 水は多い?少ない?
- 肥料のタイミングは?
- 剪定は必要?
- 花殻は摘む?残す?
毎日少しずつ状態が変わる。
だから観察する。
気にかける。
放置しない。
人もきっと同じなんだと思う。
もちろん、
「植物を育てられる=人を育てられる」
そんな単純な話ではない。
でも、植物に向き合う感覚と、人に向き合う感覚には、どこか共通する部分がある気がする。
だから今でも、会社の屋上で一鉢のバラを育てている。

趣味でもある。
でも、それだけじゃない。
一緒に働いているみんなの存在を、自分自身が忘れないため。
そんな意味も、少しだけ込められている。

