🕊️ 前回のお話:第126話「教習所を卒業したあとに感じた空虚感」
去年の晩秋、珍しくバラが咲いた。
クリムゾン・グローリーという品種だ。
開花後、花弁が散り始めた頃に、花の部分を摘む。
その頃には冬の季節に突入していた。
冬の間、庭のバラは完全に眠っていた。
葉は落ちるものもあれば、枝についたままの葉もある。
遠くから見れば、
まるで枯れ木のようだ。
正直なところ、
「本当にまた芽が出るのかな?」
と思うこともある。
植物のことを頭では理解していても、
目の前の姿を見ると
少し不安になる。
それでも、
季節が変わる頃になると
必ず変化が現れる。
ある日、ふとバラを見ると
枝の先に小さな赤い芽が出ていた。
「ああ、春が来たんだな」
そう感じた瞬間だった。
芽吹き|小さな命のサイン
このバラは、
昨年の秋にも記事にした品種だ。
本来の季節ではない時期?に
花を咲かせたことがあり、
少し驚いたことを覚えている。
※我が家においてはね
それから冬を越え、
約三ヶ月ほどの休眠。
ずっと静かな時間が続いていた。
しかし、
春が近づくと
枝の節々から
小さな芽が顔を出し始めた。
まだ葉とは言えないほど
小さな芽。
でも確かに
そこには生命の力がある。
冬の間は
止まっているように見えていた。
しかし実際には、
ただ休んでいただけなのだろう。
自然は不思議だ。
誰に言われるわけでもなく、
季節が来れば
ちゃんと動き出す。
冬の手入れ
バラは、冬の間に
きちんと手入れをする必要がある。
休眠期と呼ばれる
12月から2月のあいだに、
・枝の剪定
・残っている葉を落とす
・鉢の土の入れ替え
・根の状態を見て整理する
こうした作業を行う。
最初は
「バラは難しそう」
そんなイメージを持っていた。
でも実際に育ててみると、
決して特別に難しいわけではない。
季節ごとの
ルーティーンを守る。
それだけで
春には元気な新芽が出て、
やがて美しい花を咲かせてくれる。
品種によっては
芳醇な香りまで楽しめる。
だから
バラを育てるのはやめられない。
今年もまた
あの深い赤い花を見るのが楽しみだ。
クリムゾン・グローリーの開花が
今から待ち遠しい。
ふと思ったこと
この芽を見ながら
少しだけ思った。
人も
同じなのかもしれない。
人生の中には
- うまく進んでいる時
- 何も変わらない時
- 立ち止まっているように感じる時
いろいろな時間がある。
でも、
後から振り返ると
「あの時間は必要だった」
そう思えることも多い。
冬の間のバラも、
何もしていないわけではない。
ただ静かに
次の季節の準備をしている。
人の時間も
きっと同じなのだろう。
あとがき
小さな芽を見ていると
なんだか安心する。
自然は、
ちゃんと順番に動いている。
冬があり
春が来る。
そしてまた
花が咲く。
まだ小さな芽だけれど、
これから枝が伸び、
やがて蕾がつき、
花が咲くのだろう。
その過程を見るのも
また楽しみのひとつだ。
春は、
ちゃんと来る。

