完熟梅が教えてくれたこと。

豊後梅を使って梅仕事をする初夏のキッチン風景 「日々とぬくもり」

🕊️ 前回のお話:第255話「4年前に購入したApple Watch Series 7、どうするか?問題」


今年、妻が梅仕事を始めた。

梅シロップ。

梅酒。

梅干し。

そして梅のぬか漬け。

キッチンには、ほんのり甘酸っぱい梅の香りが漂う。

「あぁ、今年もこの季節が来たんだな。」

そんなことを思いながら、妻の手元を眺めていた。


その中でも、一番驚いたのが梅シロップだった。

完熟手前の梅を、はちみつと氷砂糖で煮るという。

「えっ?」

思わず声が出た。

僕が知っている梅シロップは、

青梅と氷砂糖を4リットルくらいの保存瓶へ交互に入れ、日の当たらない冷暗所でゆっくり熟成させるもの。

だから、

「煮る?」

「梅シロップを?」

頭の中は「???」でいっぱいだった(笑)。

調べてみると、今ではこの作り方も一般的らしい。

短時間で梅のエキスを引き出せる方法として、多くの人が楽しんでいるそうだ。

「時代も変わったなぁ……。」

そう思った。

……

いや、違う。

変わったのは時代じゃない。

僕が知らなかっただけだった(笑)。

心の中でもう一人の僕が言う。

「お前、取り残されてるぞ。」

「大丈夫か?」

59歳になっても、知らないことばかり。

だから人生は面白い。


そういえば、実家でも毎年梅酒を仕込んでいた。

父と母が青梅と氷砂糖を瓶へ入れ、焼酎を注ぐ。

気付けば、十年以上眠っていた梅酒もあった。

たしか12年くらいだったかな。

あれは美味しかった。

時間そのものを飲んでいるような、不思議な味だったことを覚えている。


今回、妻が選んだ梅は豊後梅(ぶんごうめ)。

本当は紀州梅を探していたらしい。

でも思うように手に入らず、豊後梅になった。

ところが調べてみると、豊後梅は杏(あんず)の血を引く品種で、ほんのり杏のような香りが楽しめるという。

しかも、大玉ほど灰汁が出にくいらしい。

「不幸中の幸い。」

そんな言葉が浮かんだ。

今年は、

梅酒。

梅干し。

梅のぬか漬け。

全部、豊後梅。

年末には、少しずつ食卓へ並び始めるだろう。

今から楽しみで仕方がない。


でも、本当に楽しみなのは完成した梅酒や梅干しだけじゃない。

妻が梅を洗い、

ヘタを取り、

一つひとつ丁寧に仕込んでいく姿を見ている。

どんな材料を使っているのか。

どんな手順で作っているのか。

全部知っている。

だから安心して口にできる。

僕はB型慢性肝炎がある。

だから妻は、保存料や添加物などにも気を配りながら、僕の身体を思って梅仕事をしてくれている。

その気持ちが、本当に嬉しい。


最近、思うことがある。

結局、料理って、

「何を使ったか」

も大切だけど、

「誰が、どんな思いで作ってくれたか」

が、一番の調味料なのかもしれない。

まだ飲んでもいない。

まだ食べてもいない。

それでも、

「きっと美味しい。」

そう思える。


今年の年末は、

妻が仕込んだ豊後梅の梅酒をソーダで割って、

僕が仕込むシュトーレンを一緒に食べる。

そんな時間が過ごせたら最高だ。

まだ半年近く先の話だけど、

そんな未来を想像している時間も、もう幸せなのかもしれない。


若い頃は、

「何を食べるか。」

そんなことばかり考えていた。

焼肉。

寿司。

ラーメン。

もちろん、それも幸せだった。

でも今は少し違う。

誰が作ってくれたのか。

どんな思いで作ってくれたのか。

そんなことまで、美味しさの一部になっている。

そして、もっと歳を重ねた頃には、

「何を食べるか。」

よりも、

「誰と食べるか。」

そんなことの方が、ずっと大切になっているんだろうな。

今年の年末。

梅酒のグラスを片手に、

そんな話を妻としながら、ゆっくり味わってみようと思う。


プロフィール
こんにちは、自由きままなライフログを書いている おぷっぷ です。

チワワの「オペラ」と暮らしながら、日常の出来事や感じたことを、自分の言葉で気ままに綴っています。

オペラとの毎日はもちろん、コーヒー、バイク、昔の思い出、これからの人生のこと。

何気ない出来事の中にも、小さな発見や気付きがあって、時には笑い、時には考えさせられます。

このブログでは、

・オペラとの何気ない日常
・心がふっと動いた瞬間
・バイクや趣味の話
・人生を振り返って思うこと
・生活の中で見つけた小さな幸せ

などを、写真とともに記録しています。

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「あの頃も楽しんでいたな」

そう思えるような記録を残したい。

そんな気持ちで、今日も気ままに書いています。

どうぞ気軽に読んでいってください。
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