世界は同じ。変わったのは自分。

桜が咲く春の街並みを歩く男女の後ろ姿。世界は同じでも自分の視点が変わったことを象徴する穏やかな風景。 「日々とぬくもり」

🕊️ 前回のお話:第120話「書き続けたら、少し整ってきた」


2月で冬という季節が終わった。

冬は、暗くて長いトンネルの中にいるようなイメージがある。

日が短く、空気は冷たく、
どこか世界全体が静まり返っている感じ。

2月23日には春一番が吹いた。

あの日の強い風は、
季節が静かに動き始めた合図だったのかもしれない。

そして昨日、2月28日。
強風の中、梅の花びらが宙を舞っていた。

その光景に出くわし、
心の中で呟いた。

「次に会えるのは一年後だね。」

少し立ち止まり、
桃、そして桜へと季節が移っていくことを思い描いた。

今日、3月1日。

気象の世界では、3月から5月が春らしい。

暦が変わっただけなのに、
長いトンネルを抜けてパッと光が差し込んだような気がした。


いつもの街、少し軽く

通勤の道は、昨日と何も変わっていない。

いつもの交差点。
いつものコンビニ。
いつもの電車。

でも、待ちゆく人の服装が少し軽くなっていた。

分厚いコートは減り、
色とりどりのトレンチコートが目に入る。

ダウンジャケットも、
今年はそれほど多く見なかった気がする。

居住地域が暖かい冬だったのか。
それとも、自分がダウンを着ていなかったから気にならなかったのか。

去年の冬は、他人のダウンばかり目についた。

カラーバス効果というのは、本当に不思議だ。

人は、見たいものを見ている。

街は同じなのに、
視点が変わるだけで景色は変わる。


外の光と、内の光

朝の日の出は少し早まり、
日の入りも遅くなった。

夕焼けの色が、どこか深みを増したように感じる。

空は昨日と同じはずなのに、
なぜか違って見える。

前なら、
どこか焦っていた。

「もっとこうならないか」
「まだ足りない」
「急がなければ」

そんな小さなノイズが、常にあった。

今日は違う。

ただ、歩いている。
ただ、見ている。
ただ、感じている。

外の季節が春に向かっているのと同時に、
内側の季節も少しだけ変わったのかもしれない。


あとがき

春は外に来るものだと思っていた。

桜が咲き、
気温が上がり、
景色が変わることで訪れる季節。

でももしかすると、

春は内側にも来るのかもしれない。

焦りが静まり、
自分を急かす声が小さくなり、
「今ここ」にいられる時間が増える。

それもまた、春だ。

街は変わらない。

でも、悪くない朝だった。

さて、今日はどんな一日になるだろう。

静かに、始めてみようと思う。


📘 次のお話:第122話「季節の変わり目と、人生の変わり目」


プロフィール
こんにちは、自由きままなライフログを書いている おぷっぷ です。

このブログは、今の僕の人生を言い表す言葉を置いておきます。

「山頂を目指す登山ではなく、森を歩く散策。」

目的地は決まっていない。

ただ、歩く。

風の音に耳を澄ませ、

鳥のさえずりに足を止め、

足元に咲く小さな花を見つける。

昨日は気づかなかった景色が、

今日はなぜか心に残る。

昔の足跡を見つけては、

「あの頃の自分は、ここを歩いていたんだな。」

と、静かに微笑む。

歩くたびに森の景色は少しずつ変わり、

歩くたびに自分も少しずつ変わっている。

だから、同じ道でも、

いつも新しい発見がある。

人生は、

山頂を目指して競い合うものではなく、

自分だけの森を歩きながら、
出会った景色を味わう旅なのかもしれない。

そして、このブログは――

人生という森を歩いて見つけた、小さな景色を残す備忘録。

未来の自分へ。

そして、いつか家族がこの森を歩く日が来たなら、

「あぁ、この人はこんな景色を見ながら生きていたんだ。」

そんなことが少しでも伝わったら、

それだけで十分。
ライフログ「日々とぬくもり」
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