僕は、未来が見えない物は買わない。

未来を想像しながら、自分の買い物の基準について考える男性のイメージ 「日々とぬくもり」

🕊️ 前回のお話:第261話「僕は「構築オタク」なのかもしれない。」


僕は、それなりに物欲がある。

いや……

それなりどころではないかもしれない(笑)

バイク用品を見るのも好きだし、コーヒー器具も気になる。

パソコン周辺機器や家電、AI関連のサービスも、面白そうな物を見つけるとつい調べてしまう。

だからといって、何でも勢いで買っているわけではない。

欲しいと思ってから購入するまで、かなり時間がかかることも多い。

  1. メーカーのホームページを見る
  2. 同じジャンルの商品を比較する
  3. レビュー記事を読む
  4. YouTubeで実際に使っている様子を見る
  5. メリットだけでなく、デメリットも調べる

そのうち、

「そもそも、本当に必要なのか?」

と、購入すること自体を疑い始める(笑)

欲しい。

でも、まだ買わない。

やっぱり欲しい。

それでも、もう少し調べる。

そんなことを繰り返し、最後は……

「えいっ!」

と、購入ボタンを押す。

僕の買い物は、だいたいこんな感じだ。


妻からは、

「説明書を読めばいいのに」

と言われることがある。

確かに僕は、説明書を最初から最後まで読むことがほとんどない。

でも、それは説明書を読むのが嫌いだからではない。

購入前に調べ過ぎて、商品が届く頃には、基本的な使い方が頭に入っているのだ。

だから僕にとって説明書は、最初に読む教科書ではない。

分からないことが出てきた時に開く、辞書のような存在だ。

考えてみれば、少し変な話である。

商品が手元に届く前には何時間でも調べるのに、届いた後は説明書を読まない(笑)


では、購入前に何をそこまで調べているのだろう。

もちろん、性能や価格も見ている。

使いやすさも気になる。

でも、それだけではない。

僕が一番確かめようとしているのは、

その物を買った後の未来

なのだと思う。


Speed Tripleを購入する前は、まだ納車されてもいないのに、頭の中では何度も走っていた。

休日の朝、ガレージへ向かう。

シャッターを開ける。

エンジンを始動する。

今日はどこへ行こう。

秋になったら那須方面まで走ってみたい。

スマホホルダーは何がいいだろう。

雨具を入れるなら、シートバッグも必要かな。

インカムも欲しい。

ドラレコも取り付けたい。

バイク本体を買う前から、その先の休日まで想像していた。

というより……

納車前に、頭の中では何度もツーリングへ出掛けていた(笑)

Speed Tripleを買ったというより、

Speed Tripleと過ごす未来を買った。

そんな感覚に近いのかもしれない。


コーヒー器具も同じだ。

新しいミルが気になる。

性能を調べる。

粒度の揃い方を見る。

挽き心地や手入れのしやすさを確認する。

でも、頭の中に浮かんでいるのは、数字やスペックだけではない。

休日の朝。

豆を挽く音。

広がる香り。

ゆっくりお湯を注ぎ、自分で淹れた一杯を飲んでいる時間。

その場面が自然に浮かぶと、ますます欲しくなる。

AIを使い始めた時もそうだった。

「仕事に使えるかもしれない」

「ブログを書く相棒になりそうだ」

「毎日話していたら、何か新しい発見がありそうだ」

契約する前から、使った後の未来を想像していた。

そして今では、様々なことをするためにAIと話しているのか、AIと話すために様々なことをするのか、よく分からなくなっている(笑)


一方で、欲しい気持ちはあるのに、なかなか購入へ進まない物もある。

その代表が、腕時計だ。

正確には、機械式時計の世界にはものすごく惹かれる。

トゥールビヨン。

ミニッツリピーター。

パーペチュアルカレンダー。

スプリットセコンド・クロノグラフ。

パワーリザーブ・インジケーター。

レトログラード。

ムーンフェイズ。

小さなケースの中に組み込まれた複雑な機構を見ると、

「どうして歯車とゼンマイだけで、こんな動きができるんだ?」

と思う。

職人の技術。

設計者の発想。

何百もの部品が連動して時を刻む姿。

眺めているだけで涎が出る(笑)

欲しいか、欲しくないかと聞かれれば……

当然、欲しい。

しかし、そこで僕の思考は止まってしまう。

普段、腕時計を着ける習慣がない。

それを腕に着けて出掛ける自分も、あまり想像できない。

購入した直後は、何度も眺めるだろう。

所有欲も満たされると思う。

でも、その先の日常が見えてこない。

資産価値という考え方もあるけれど、時を確認するだけならスマートフォンでも事足りる。

費用対効果だけで考えれば、とんでもない世界だ(笑)

機構には心が躍る。

技術にも感動する。

欲しい気持ちもある。

それでも、買った後の未来が見えない

だから購入には至らない。


ここまで考えて、ようやく分かった。

僕は、欲しい物を買っているわけではないらしい

欲しい未来が見えた物を買っている

高いか、安いか。

必要か、不要か。

もちろん、それも判断材料にはなる。

でも、最後に背中を押すのは、

「これを買ったら、どんな時間が始まるのだろう」

という想像なのだと思う。

その未来が鮮明に見えると、僕の物欲は一気に動き始める。

反対に、どれだけ魅力的な物でも、その先の自分が見えなければ購入ボタンを押せない。


もちろん、想像した未来がそのまま現実になるとは限らない。

購入して使ってみたら、

「最高!」

となることもある。

そんな物は、長く付き合う相棒になる。

一方で、

「あれ?」

「思っていたのと違うぞ……」

となることもある。

そして、そのまま棚や押し入れの肥やしになる(笑)

でも僕は、それを大きな失敗だとは思っていない。

商品が悪かったわけではない。

購入前に思い描いていた未来と、実際の生活が少し違っただけ。

つまり、

僕にはマッチしなかった。

ただ、それだけだ。

想像と現実が違ったことも、実際に使ってみなければ分からない。

そう考えれば、それも一つの経験なのだと思う。

……肥やしが増え過ぎるのは困るけれど(笑)


僕は物を買っている。

でも、本当に欲しいのは、物そのものではないのかもしれない。

その物を使って過ごす時間。

新しく始まる習慣。

今まで見たことのない景色。

使った瞬間のワクワク。

そして、

「買って良かった」

と思える未来。

物欲はある。

欲しい物もたくさんある。

それでも、未来が見えない物は買わない。

いや、正確には……

買えないのだと思う。


あとがき

今回、自分の買い物について考えてみて、また一つ自分のクセが言葉になった。

僕は商品を比較しているようで、実はその商品が連れてくる未来を比較していた。

だから購入前のリサーチが長い。

性能を調べながら、

「これを使ったら、どんな生活になるのだろう」

と、何度も頭の中で試している。

買いました。

使いました。

最高でした。

そんな物は、暮らしの中の相棒になる。

買いました。

使いました。

思っていたのと違いました。

そんな物は、どこかの肥やしになる(笑)

それでも、買う前に想像した時間も、実際に使って分かったことも、すべて含めて買い物なのだろう。

物を買っているようで、物は買っていない。

僕が買っているのは、

その物と一緒に過ごす、まだ見ぬ未来なのかも…。


📘 次のお話:第263話「オペラ、「シャワー」と「お風呂」を覚えた?」


プロフィール
こんにちは、自由きままなライフログを書いている おぷっぷ です。

このブログは、今の僕の人生を言い表す言葉を置いておきます。

「山頂を目指す登山ではなく、森を歩く散策。」

目的地は決まっていない。

ただ、歩く。

風の音に耳を澄ませ、

鳥のさえずりに足を止め、

足元に咲く小さな花を見つける。

昨日は気づかなかった景色が、

今日はなぜか心に残る。

昔の足跡を見つけては、

「あの頃の自分は、ここを歩いていたんだな。」

と、静かに微笑む。

歩くたびに森の景色は少しずつ変わり、

歩くたびに自分も少しずつ変わっている。

だから、同じ道でも、

いつも新しい発見がある。

人生は、

山頂を目指して競い合うものではなく、

自分だけの森を歩きながら、
出会った景色を味わう旅なのかもしれない。

そして、このブログは――

人生という森を歩いて見つけた、小さな景色を残す備忘録。

未来の自分へ。

そして、いつか家族がこの森を歩く日が来たなら、

「あぁ、この人はこんな景色を見ながら生きていたんだ。」

そんなことが少しでも伝わったら、

それだけで十分。
ライフログ「日々とぬくもり」
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